窓(ペアガラス)の結露防止5つの対策や内部結露の対処法

寒い季節に発生しやすい結露の対策には、ペアガラスが有効といわれています。しかし、自宅の窓がペアガラスであるにもかかわらず、「結露ができた」「窓が曇った」などのトラブルに悩まされる人は意外と少なくありません。そこで今回は、ペアガラスは結露対策に役立つのかどうか、ペアガラスに結露が発生したときの対処法など、窓の結露対策に関する知識と情報をまとめました。自宅の窓の結露に困っている方や、ペアガラスについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

ペアガラスに結露は発生するのか

ペアガラスに結露は発生するのか

ペアガラスとは、2枚のガラスの間に乾燥した空気を注入した複層ガラスのことです。自宅の窓をペアガラスにすると、結露の発生を防ぐ効果が期待できます。そもそも結露とは、室内の暖かい空気が、窓越しに伝わる外の冷たい空気によって冷やされたことによって発生するものです。空気は温度が高いほどたくさんの水分を含むことができるため、気温が下がると余分な水分が放出され、窓ガラスに水滴=結露が付着するのです。

ペガラスでは、2枚のガラスの間に注入された空気が壁の役割を果たし、外の空気の冷たさが室内側に伝わりにくくなるため、結露が発生しにくくなります。ただし、室内の状態や環境によっては、ペアガラスにしていても結露が発生することがあります。あくまで「結露ができにくい」というだけで、100%結露を防いでくれるわけではないため、何らかの対策を行う必要があります。

ペアガラスの結露を放置するリスク

ペアガラスについた結露を「たかが水滴」と放置すると、以下のようなリスクがあります。

1.カビの繁殖

カビは高温多湿の環境を好むため、結露を放置していると、サッシや周辺の壁、水滴が垂れた床などにカビが繁殖しやすくなります。黒カビが生えると見た目が悪くなるのはもちろん、建材の腐食が早まり、建物の劣化が進む原因となります。腐食が基礎部分にまで広がると、建物そのものの耐久性が低下するおそれがありますので、早めに対処することが大切です。また、カビはアレルギーやアトピーなどを引き起こすアレルゲンの一種でもあるため、住んでいる人の健康を害するリスクもあります。

2.ダニの発生

結露によって室内の湿度が高くなると、ダニが繁殖しやすくなります。家の中にいるダニの7~9割を占めるといわれるヒョウヒダニは、人を刺すことこそないものの、カビ同様、アレルギーやぜんそく、アトピー性皮膚炎を引き起こす要因になるといわれています。

ペアガラス(外側)の結露を防止する5つの対策

ペアガラス(外側)の結露を防止する5つの対策

ペアガラスの結露と一口にいっても、外側に結露ができるケースと、内側に結露ができるケースの2通りがあります。このうち、外側に結露ができるケースは、事前に対策を行えば、ある程度防止することが可能です。ここでは、ペアガラスの外側にできる結露を防止するための対策を5つご紹介します。

1.部屋の換気を行う

結露は、水分を含んだ空気が冷やされることによって起こる現象なので、室内の湿度が高いほど結露が発生しやすくなります。 結露は寒い季節に起こりやすいので、窓を開けて換気することに抵抗を感じる方も多いと思いますが、1回あたり10分程度を目安に、室内の2ヶ所の窓(1つしかない場合はドアでもOK)を開けて空気の入れ換えを行いましょう。 どうしても窓を開けたくないときは、換気扇を回しておくという方法もあります。

2.過剰に室温を上げすぎない

結露は、室内と屋外の温度差が大きいほど発生しやすくなるので、寒いからといって室内の温度を上げすぎるのはNGです。 結露が気になるときは、エアコンやヒーターの設定温度をいつもよりやや低めにし、そのぶん服を1枚多く着込むなどの調整を行いましょう。

3.扇風機やサーキュレーターを活用する

結露は、室内と屋外の温度差が大きいほど発生しやすくなるので、寒いからといって室内の温度を上げすぎるのはNGです。 結露が気になるときは、エアコンやヒーターの設定温度をいつもよりやや低めにし、そのぶん服を1枚多く着込むなどの調整を行いましょう。

4.観葉植物や水槽の配置を換える

日当たりを考慮して、窓辺に観葉植物を置いている家庭は多いですが、植物は光合成によって常に水蒸気を出しているので、窓際に設置すると結露の原因となります。 同様の理由で、水槽や花を生けた花瓶を窓際に設置している場合も、配置を見直した方がよいでしょう。

5.結露防止シートを活用する

ホームセンターなどで市販されている結露防止シートを窓の全面に貼り付けると、シート中に含まれた空気がクッション材になり、窓の冷たさが室内の空気に伝わるのを防止してくれます。 結露防止だけでなく、断熱効果もアップするため、省エネにもつながって一石二鳥です。

ペアガラス(外側)に発生した結露の対処法

ペアガラス(外側)に発生した結露の対処法

ペアガラスの外側に結露ができた場合は、そのまま放置したりせず、なるべく早めに対処することが大切です。 以下では、ペアガラスの外側に結露が発生したときの対処法を2つご紹介します。

1.乾いた布やスクイージーで拭き取る

窓の結露に気付いたら、できればその場で乾いた布や雑巾などを使用し、丁寧に水分を拭き取りましょう。 窓が高くて手が届かない、または窓の全面にびっしり結露がついている場合は、スクイージーを使って窓の水分を一度下に落とし、布で仕上げ拭きすると楽に結露を取り除くことができます。

2.吸水テープを使う

窓の下部に市販の吸水テープを貼り付けておくと、下に落ちてきた水を自動的に吸収してくれます。サッシや床に水滴が落ちにくくなるので、結露によるカビの発生防止に役立ちます。 吸水テープがない場合は、新聞紙で代用することも可能です。 水分を吸った新聞紙をはがした後、そのまま窓拭きすれば、新聞紙についたインク成分のツヤ出し効果によって窓をピカピカにすることができます。

ペアガラスの内部結露が発生する原因

ペアガラスは、2枚のガラスの間に空気層を作り出すため、アルミや樹脂製のシール材(封着材)を使って密閉させています。 ところが、シール材が劣化して穴やヒビなどができると、そこから水蒸気を含んだ空気が入り込んでしまい、ペアガラス内部で結露が発生する原因となります。 シール材がだめになる原因は、単純な経年劣化のほかに、サッシ部分の水たまりが要因となっている可能性もあります。窓のサッシにはもともと排水機能が備わっていますが、劣化によって機能が低下していると、サッシ内に水たまりが発生しやすくなります。 サッシ内の水たまりを放置すると、ガラスとサッシを固定しているグレージングチャンネル(グレチャン)やシール材に水が浸入し、劣化が早まってしまいます。 窓掃除の時でもないと、サッシの状態をじっくり観察する機会はなかなかありませんが、雨が降った時や結露が発生した時は、サッシ内に水がたまっていないかどうか確認してみましょう。

ペアガラスの内部結露を防ぐ対策

ペアガラスの内部結露を防ぐ対策

ペアガラスの内部結露を防ぐには、サッシ部分に水が溜まらないよう工夫することが大切です。 ここでは、ペアガラスの内部結露を防ぐために有効な対策方法を3つ紹介します。

1.吸水グッズを活用する

サッシ部分の水たまりを防止するには、吸水グッズの活用が効果的です。外部結露対策で紹介した吸水テープをサッシ部分にも貼っておけば、水たまり対策に役立ちます。 最近はサッシ部分に置くだけで結露を吸収してくれる吸水グッズも販売されていますので、「換気するたびにテープをはがすのが面倒」というときは、置き型タイプを使用するのがおすすめです。

2.窓下ヒーターを設置する

より本格的に結露対策したい場合は、窓下ヒーターを設置するというのもひとつの方法です。 名前の通り、窓下に設置するバータイプのヒーターで、上方に向かって暖かい空気を出し続けるので、ペアガラスの冷えを防止してくれます。 吸水グッズに比べるとやや値段は張りますが、繰り返し利用できるので、長い目で見ればコストパフォーマンスの高いアイテムといえます。

3.グレチャンを交換する

グレチャンはゴム製なので、ある程度年月が経過すると、ひび割れや穴あきが起こりやすくなります。グレチャンを触ってみて、硬い・ゆるい・ベタベタするなどの異常を感じたら寿命ですので、業者に交換を依頼しましょう。 これらの症状が見られなくても、ガラスの取付から10年が経過している場合は、早めにグレチャンの交換を行っておくのがおすすめです。 なお、グレチャンの交換はDIYで行うことも可能です。ただ、サッシを分解してガラスを外すなど、大がかりな作業が必要なので、不慣れな人は業者に依頼した方が無難でしょう。

ペアガラスの内部結露は交換するしかない

ここまでペアガラスの内部結露を防ぐための対策をご紹介しましたが、すでにペアガラスの内部に結露が発生してしまった場合は、残念ながらガラスそのものを交換するしかありません。 ガラスの表面にドライヤーの温風をあてて内部の水分を飛ばすという方法もありますが、あくまで応急処置であり、内部に水分が残っていると再び結露が発生してしまいます。 また、窓に直接温風をあてるとガラスの劣化を早める原因にもなりますので、ドライヤーを使った対処は避けた方が無難です。 内部結露を放っておくと、ガラスがくもって外が見えにくくなったり、断熱性が低下したりする原因になりますので、なるべく早めに交換を検討した方がよいでしょう。

まとめ

ペアガラスは、2枚のガラスの間に空気層があるぶん、1枚ガラスに比べて外気の冷たさが伝わりにくく、結露が発生しにくいしくみになっています。 しかし、100%結露ができないわけではなく、室内と屋外の温度差が大きい場合や、室内の湿度が高いときは、ペアガラスでも結露ができる可能性があります。 外側結露なら、布で拭き取ったり、結露防止グッズを使ったりすれば対処できますが、内部に結露ができた場合はガラス交換が必要です。 内部結露を放っておくと、外観やガラスの機能性が低下する原因となりますので、早めの交換をおすすめします。

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