ガラスが割れないように事前に対処しておきたい事は?分かりやすく解説します
ガラスが割れる原因には、経年劣化をはじめ、ガラス表面に温度差が生じることで起こる熱割れや、物や人がぶつかったことによる衝撃、結露・雨によるガラス内部のワイヤーの錆びなどが挙げられます。
これらは、事前の対策で大きな被害を防ぐことができます。今回は、ガラスが割れないように事前に対処しておきたい事柄を分かりやすく解説していきます。
1.ガラスの割れの大きな原因「熱割れ」対策をする
ガラスが割れる原因として多く見られるのが、ガラス表面に温度差が生じることで起こる。「熱割れ」です。
窓ガラスに太陽光が当たると、中央部分は早くに温度が上昇し、熱で膨張します。
一方でサッシに埋め込まれている周辺部分は太陽光を受けないうえ、周囲へ放熱するため緩やかな温度上昇となり、膨張も起こりません。
このように、膨張する部分としていない部分が引っ張り合う引張応力が生じることでガラスに亀裂が入り、割れを引き起こしてしまうのです。熱割れを防ぐには、ガラス表面に温度差ができないよう、以下のような工夫をすることが大切です。
冷暖房の風がガラスに直接当たらないようにする
冷暖房の風がガラスに当たると、その部分だけ周りとの温度差が大きくなり、熱割れが起こりやすくなります。そのため、冷暖房器具の風向きを調整する、サーキュレーターを使用するといった工夫をし、ガラスに直接冷暖房の風が当たらないよう注意しましょう。また、加湿器なども近くにおかないよう注意してください。
ガラスにカーテンや家具を密着させない
カーテンやブラインドが直接ガラスに触れると、その部分が高温となり熱割れが起こりやすくなります。また、家具や物などを長時間密着させておくことも熱割れの原因になります。カーテンやブラインドはガラスに直接当たらないようにし、家具や物をガラスの周囲に置かないように注意しましょう。
冬場は結露をこまめに拭き取る
熱割れは冬の昼間に起こりやすいと言われていますが、その理由の一つに結露の発生があげられます。エッジ部分に結露が溜まることで、他の部分との温度差がより広がってしまうのです。そのため、冬場は毎朝結露を拭きとり、一日を通してこまめに結露を拭くことで、熱割れの予防に繋がります。
2.強化ガラスや合わせガラスへ取り替える
物や人が当たることの衝撃によるガラス割れを防ぐには、強化ガラスへの取り替えが効果的です。強化ガラスは通常のガラスの3~5倍の強度を持つと言われており、万が一割れてもガラス破片が小さな粒状となるため、鋭利な破片が落下する心配がありません。ガラス破片によるケガなど、二次被害を防ぎやすい点もメリットです。
ただし防犯の観点からみるとやや難があるのがデメリット。というのも、先の尖ったバール等で突かれると、比較的簡単に割れてしまうことがあるためです。また、いくら破片が飛散しにくいとはいえ、そこへ飛来物が飛んで来れば貫通してしまう恐れがあります。
さらに強度を高めたいのであれば、合わせガラスにするのもおすすめです。合わせガラスは割れた際のガラス破片の飛散が少なく、貫通もしにくいので、強化ガラス以上に安全性が高くなっています。
3.ゴムパッキンのメンテナンスを行う
結露や雨がガラスの内部に入り込むと、内部のワイヤーが濡れて錆びてしまい、錆び割れが起こる可能性があります。錆び割れを予防するには、サッシ枠のゴムパッキンをきちんと管理することが大切です。ゴムパッキンに弾性が無くなると、サッシ枠に隙間ができ、結露や雨の水が入りやすくなってしまうためです。
ゴムパッキンは年数が経つにつれ劣化してしまうものなので、定期的に状態を確認し、弱くなっていたり切れていたらすぐに取り換えるようにしましょう。
また上記でもご紹介しましたが、結露をこまめに拭き取ることで、熱割れだけでなく錆び割れを防止することができます。
4.ガラス飛散防止フィルム・シートを貼っておく
ガラス飛散防止フィルム・シートは、ガラス割れ防止としての効果は弱いものの、割れた際のガラス片の飛散や二次被害を抑えることができます。
ただし、ペアガラスや網入りガラスなど熱割れを起こしやすいガラスに貼り付けてしまうと、シート部分が高熱となりさらに熱割れしやすくなる可能性があるので注意が必要です。
また、ガラスの種類によって相性があるほか、フィルムの種類によっては窓ガラスの透明感が失われることがあります。市販のフィルムを使って自分で貼り付けることもできますが、業者にきちんと相談したうえで貼り付けを依頼したほうが安全性や耐久性は高くなりますよ。
ガラスの亀裂に気付いたら業者に早めの連絡を!
こうした事前の対策を行っても、様々な要因によりガラスが割れてしまうことがあります。「まだひびだけだから…」などと油断をしているうちに、どんどんと亀裂が広がり、大きな割れに繋がってしまうかもしれません
ガラスの亀裂に気が付いたら、出来るだけ早くに業者に連絡をし、ガラス交換や修理を依頼することをおすすめします。