ガラス強化して安全な生活を送る
美しいけれども割れてしまうガラスの特性
ガラスというものは、透明で美しい輝きを見せてくれます。透けて見えることも特徴で、窓にすれば外の景色を見ることもできるようになります。テーブルに使ったりすれば、工芸品としての美しさも楽しむことができ、インテリアとしてもおしゃれに見えます。
ですが、割れてしまうという点が大きな問題です。力がかかりすぎると、ひびが入り、割れて粉々になってしまうこともあります。窓に使っている場合も、石が飛んできて割れる可能性があるでしょう。もしかしたら、ドラマやマンガのように、子供達が遊んでいてボールが飛んでくるかもしれません。台風などの強風時に何かが飛んできて割れてしまうことも考えられます。また、局地的な竜巻で窓ガラスが割れてしまうのを、1年の間に何度かニュースで見かけるのではないでしょうか。それほど力に弱いものであるということですが、日常生活の中ではなかなかそれに気が付きません。窓は私達の家や生活を守ってくれるものであると当たり前のように感じているのが一般的でしょう。それは何も不思議なことではありませんし、割れるまでは誰もがそう思っているものです。
窓は割れてしまってからの対応が重要になります。大きな破片は、それだけで凶器となってしまいます。簡単に手や足を切りますし、その断面は鋭角で深く、大きな怪我につながることも少なくありません。これが大人であれば、すぐに対応もできるかもしれませんが、そうでない時もあります。子供やお年寄り、ペットが被害にあってしまえば、そのダメージはさらに大きなものとなるでしょう。こうした危険を常にはらんでいることは、忘れてはいけないことです。窓ガラスだけではなく、ガラスのテーブルなどでも割れてしまう可能性があるのですから、通常のガラスはもろいものであると認識しておくべきでしょう。
そこで、交換するときには、ガラス強化することを考えてみてはいかがでしょうか。種類を変えることによって、こうしたリスクを低減させることができるからです。
ガラス強化できるしくみ
ガラスを強化するとは、強化ガラスのように強度の強いものに交換するということです。強化ガラスとは、通常のガラスよりも強度を上げているものであり、それだけ簡単には割れなくなる特性を持っています。もちろんガラスですので、衝撃を一点に集めてしまえば、単位面積当たりの衝撃が強くなり、簡単に割れてしまうことにはなりますが、通常のガラスよりははるかに安全です。
強化ガラスとは、通常のガラスを作る際に、表面を急激に冷却させることででき上がります。物質は加熱すれば膨張し、冷却すれば収縮するという特性があるため、急激に冷却した面は収縮することになります。ですが、内部の温度は下がらないため、収縮するのが遅れます。内部はそれだけ収縮が抑えられることになるため、緊張力が働くこととなり、引張応力層が生じるため、強度を上げることができる方法です。
ガラスは実際に引っ張りに弱い特性を持っており、力がかかるとたわみが生じ、応力の限界にくれば割れてしまいます。しかし強化ガラスは、圧縮応力層があるため、割れにくくなるというのが原理です。もちろん、この力を超えれば、緊張力が働いている分だけ、一瞬で割れてしまうという特性があることを認識しておく必要はあります。
割れても安全性の高いガラスとして
ガラス強化を行ったとしても、割れてしまうリスクがゼロにはなりません。ですが、強化ガラスにすることによって、割れてしまったときの安全性を高めることができると考えたら、交換する価値が上がるということも事実でしょう。強化ガラスは、風圧強度として、通常のガラスの3倍近い強度を持ちます。この特殊な製法により、割れてしまったときに、通常のガラスよりも細かな粒状になって割れるという特徴を持っているところが重要です。割れると細かな粒状になるため、怪我をしてしまう可能性を極端に下げることができ、子供さんのいるご家庭などでは、安全性を高めることが可能となります。
ガラスを用いた開口部の安全設計指針と呼ばれる指針が昭和61年に出されました。その中に、割れにくいガラスとして強化ガラスがありますが、安全なガラスとしても記載されています。それだけの安全性があるからこそ、こうした指針が今でも生かされています。
こうした強化ガラスは、さまざまなものに使われています。窓ガラスに使えば、家族の安全だけではなく、台風などの被害にも対応することができるようになります。完璧に割れないようにすることができるわけではありませんが、費用を少し足すだけで、今までと比べてかなり強化されることになりますので、安心で安全です。家庭の中で安全性を高めるということでは、ガラスのテーブルを強化するのも効果的です。何かあって割れたとしても、二次災害を防ぐことができるのは大きなメリットとなります。
ガラス強化は、多くの利点がある方法です。防犯ということでは大きな効果を得られませんが、家族を守り、安全な生活を送ることができると考えれば、とても大きな価値があるでしょう。