冷暖房の効率アップには窓の断熱

熱は窓からやってくる

熱というものを考えた時に、その特性として高いところから低いところへと流れていきます。膨張と収縮に関係していきますが、温度は自然と均一化されていくことになるでしょう。冬の室温を考えた時に、外の寒さが強ければ、窓などを通して室内の熱が逃げていくことになります。逆に夏に冷房を使っているときには、外の熱が室温へ影響をもたらします。結果的に室温は目指したいところに行きにくくなってしまいます。これが、冷暖房の効率を悪化させてしまう原因であるといえるでしょう。

窓は、窓枠にガラスがはめ込まれただけのもので、熱を伝えやすい存在です。壁は断熱材を入れて作りますので、熱を逃がすことはありません。そうなると、効率を上げるためには、窓に工夫が必要であるということがわかるでしょう。

夏の温度の影響を見ると、窓という開口部は70%もの熱を受け入れてしまいます。カーテンなどで遮ることもできますが、それでもかなりの熱量が入ってくることになるでしょう。外壁も同じように熱にさらされますが、わずか13%程度であるといわれているのですから、大きな差があります。冬で考えた場合には、約50%の熱が逃げていってしまいます。外壁や床、換気を合わせたぐらいの熱が出ていくのですから、非常に大きな存在になっているのがわかるでしょう。そこで、断熱することが求められるのは、当然の結果であるといえるでしょう。電気の使用量や化石燃料の話題が上がる昨今ということを考えれば、非常に効率のいい方法であることもわかるはずです。

窓ガラスを交換して断熱性を高める

既存の窓ガラスを断熱性が高いものに変えることは、単純に効果を上げることができる方法です。複層ガラスに交換することによって、断熱効果を上げることができますが、ガラスによって費用が変わってきます。複層ガラスの場合には、2枚のガラスを使うことで、間に空気の層を作り出す方法で、この層が温度の変化を緩やかなものにしてくれる方法です。半分程度の熱の透過をカットできる方法で、断熱フィルムなどを貼るよりもはるかに高い効率を持っています。

さらに性能を上げているのは、遮熱複層ガラスです。フィルムを貼る方法にも近い効果を持っていますが、積層ガラスの室内側に、金属膜をコーティングします。空気の層だけではなく、この金属膜で熱を遮断するため、はるかに効率が高まる方法です。値段は上がってしまいますが、熱をかなりカットすることができるようになるため、効率を考えればはるかに優れているといえるでしょう。

さらに効果を上げるのであれば、二重窓にしてしまうのが一番です。既存の窓の内側である室内側に新設することによって二重にします。内窓を作ることによって空気の層を作ることができる方法ですが、複層ガラスなどよりも効果を高められるため、紫外線などもかなり遮断することが可能です。費用はかなり大きくなってしまいますが、さらに複層ガラスを使えば、もっと大きな断熱効果を得ることができるようになります。防音効果も期待することができ、最も効率のいい方法にすることができるでしょう。もともとの窓枠の設計にもよりますが、あまりに日差しが入ってくる場合などでは、考慮するべき方法といえます。

他の方法と比較して

窓ガラスを交換するということは、それなりにお金がかかることです。割れてしまったりして交換するのであれば、複層ガラスなどを使うことにためらいは少なくなるでしょう。しかし、ガラスが健全な間に交換を考えるとなると、他の方法と比べてどこまで費用対効果が高いのかということも重要になります。実際にガラスを交換しても、冷暖房の効率からかなりの効果を期待でき、費用対効果も優れていることは間違いありません。

最も簡単な方法としては、スプレーを吹きかける方法があります。シリコンコーティングする方法で、安価で手軽でしょう。ですが、遮断できる熱量はほんのわずかで、効果をあまり実感できないということが大半です。気持ちの問題程度と考えるといいでしょう。

断熱シートも人気の商品です。ポリエチレン製のシートですが、だいたい1年で寿命を迎えます。自分で貼ることもできますが、大きな窓には対応できないこともありますし、自分でカットして使わなければいけないデメリットもきついところでしょう。紫外線はカットすることができますが、部屋は確実に暗くなります。その分電気をつけることを考えると、効率はあまりよくありません。また、ガラスにポリエチレンシートを貼り付けるために見た目も悪くなります。

コーティングしてしまう方法もありますが、業者に依頼することになり、施工費はかなりアップします。業者に依頼するフィルムもありますが、やはり施工費がアップすることと寿命があることを考えると、窓ガラスを交換してしまうほうが効率はいいといえるでしょう。交換の時間も短時間で済ますことができるのも、大きなポイントになるはずです。